ロルフィングが重要視する5つの身体機能

ロルフィングは「筋膜リリース」を通して「姿勢」「呼吸」「インナーマッスル」「歩行」「動的安定性」の5つの機能を全10回を通して改善していきます。

詳しく見ていきましょう♬

1,ロルフィングが姿勢を重視する理由

医学的には、「姿勢」とは、【全身の「筋膜の癒着」や「筋肉の緊張」の結果】と言われています。
つまり、「姿勢が悪い」状態は、「筋‐筋膜の緊張/硬さ」を意味し、それは、血流障害が起こっている事を示唆し、発痛物質が出やすい状態にある。と言えるのです。
よって、姿勢は筋筋膜性疼痛症候群の発症や慢性化に深く関与しています。 ロルフィングは、筋膜の癒着や筋肉の緊張を解消し、姿勢の歪みを改善することで、痛みや不調の根本的な原因に対処することを目指します。

ロルフィングが姿勢を重視する理由は、

  • 筋膜の癒着、筋緊張が姿勢をつくり、姿勢の悪化が身体全体の構造と機能に影響を与える
  • 姿勢の歪みが更なる膜の癒着や筋肉のアンバランスを引き起こす(代償)
  • 姿勢の改善が痛みや不調の改善につながる

ためです。

2,ロルフィングがインナーマッスルを重視する理由

インナーマッスルと体幹の安定性

  • 体幹の支柱: インナーマッスルは、身体の中心部を支えるコルセットのような役割を果たします。特に、横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋は、体幹を安定させ、脊柱を保護する上で不可欠な筋肉です。
  • 姿勢の維持: これらの筋肉が適切に機能することで、正しい姿勢を維持し、身体全体のバランスが保たれます。
  • 動作の基盤: どんな動きをする際にも、インナーマッスルは最初に働き、身体の中心を安定させることで、スムーズな動作を可能にします。

インナーマッスルと筋膜のつながり

  • 筋肉の緊張緩和: インナーマッスルが弱化すると、代償的に他の筋肉が過剰に働き、必要以上の筋肉に過度が緊張が生じます。
  • 筋膜の滑走性: インナーマッスルが適切に機能することで、筋肉の動きがスムーズになり、筋膜の滑走性が向上することで、筋膜の癒着を防ぎます。

ロルフィングとインナーマッスル

ロルフィングでは、深層の筋膜に働きかけることで、インナーマッスルを含む身体全体の構造的なバランスを整えます。

  • インナーマッスルの活性化: ロルフィングの施術‐深層部に対する筋膜リリースによって、インナーマッスルの働きが活性化され、体幹の安定性が向上します。

インナーマッスルと筋筋膜性疼痛症候群の関係

筋筋膜性疼痛症候群は、筋肉や筋膜の慢性的な痛みを伴う疾患です。インナーマッスルの機能低下は、以下のメカニズムでこの疾患に関与します。

  • 姿勢の悪化: インナーマッスルが弱化すると、姿勢が悪くなり、特定の筋肉に過度な負荷がかかります。
  • 代償動作: 身体は、痛みを回避するために代償動作を行い、新たな痛みを引き起こす可能性があります。
  • 筋膜の癒着: インナーマッスルの機能低下は、筋膜の癒着を促進し、痛みの悪循環を生み出します。

ロルフィングにおけるインナーマッスルの重要性まとめ

  • 体幹の安定: 身体の中心部を支え、姿勢を維持する
  • 筋膜の健康: 筋膜の滑走性を高め、癒着を防ぐ
  • 疼痛の軽減: 筋筋膜性疼痛症候群の改善に貢献
  • 身体全体の機能改善: 横隔膜の解放による呼吸機能改善、筋緊張の改善に伴う循環機能の向上

3,ロルフィングが呼吸を重視する理由

呼吸は、横隔膜という筋肉の動きによって行われます。横隔膜は、インナーマッスルの一つであり、姿勢の安定にも大きく関わっています。

呼吸が浅くなると、横隔膜の動きが制限され筋膜の硬さ癒着を招き、痛みや不調の原因となります。

ロルフィングにおける呼吸の重要性

ロルフィングでは、呼吸を単なる生命維持活動ではなく、身体全体の機能と深く結びついたものとして捉えています。

  • 筋膜のリリース: 深呼吸をすることで、胸郭や腹腔の動きが大きくなり、深層の筋膜が伸縮します。この動きが、癒着した筋膜を剥がすような働きをし、柔軟性を回復させます。
  • 身体全体のバランス調整: 呼吸は、身体の中心であるコアを安定させ、全身のバランスを調整する上で重要な役割を果たします。
  • 自律神経のバランス調整: 深くゆっくりとした呼吸は、副交感神経を優位にし、リラックス効果をもたらします。これにより、筋肉の緊張が緩み、痛みの軽減に繋がります。

「呼吸」はロルフィングの中で最も重要な要素となります。
この点は「感覚」になってきますので、ロルフィング体験セッションで、「解放された呼吸感覚」を是非実際にご体感ください。
体が楽になると共に、心も穏やかになり、姿勢も整っているはずです。

4,ロルフィングが「歩き方」を重視する理由

歩き方は、全身の筋肉を使う複合的な運動であり、最も理想的な動作パターンです。正しい歩き方をすることで、筋膜の柔軟性を高め姿勢を改善し、痛みや不調を予防することができます。

「股関節や胸郭」と筋膜の癒着

股関節や胸郭の動きは、身体の構造として非常に重要なエリアです。これらの関節は動きが制限されやすく、つまり硬くなりやすく、動きが制限された場合、身体全体の動きが制限され、筋膜の癒着を促進する可能性があります。

  • 股関節: 股関節の柔軟性が低下すると、代償として腰椎が過剰に動くという代償パターンになりやすく、腰痛の元です。また、股関節の硬さは反り腰として、姿勢に現れ、反り腰と猫背はセットで起こる為、背中の張り感や肩こりにも影響を及ぼす可能性があります。
  • 胸郭: 胸郭は、呼吸運動だけでなく、上半身の動きにも大きく関わっています。胸郭の動きが制限されると、胸椎を反らす動きが出来なくなる為、猫背姿勢が固定され、肩こりや首の痛み、背中の凝り、呼吸が浅くなることによる交感神経反射でストレスが貯まりやすくなるなどの問題を引き起こす可能性があります。

歩行運動が筋膜癒着を解放するメカニズム

  • 筋肉のポンプ作用: 歩行運動によって筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで、まるでポンプのように血液やリンパ液の流れが促進されます。これにより、筋肉や筋膜に栄養が供給され、老廃物が排出されやすくなります。
  • 関節の可動域の拡大: 歩行は、股関節や胸郭を含む全身の関節の可動域を広げるのに役立ちます。関節の動きが改善されることで、周囲の筋膜の癒着が剥がれやすくなります。
  • 筋膜の滑走性の向上: 歩行中の筋肉の動きは、筋膜同士の滑りを促し、癒着を予防します。
  • 深層部の刺激: 歩行は、深層部の筋肉や筋膜にも刺激を与え、血流を改善し、組織の柔軟性を高めます。

股関節と胸郭への効果

  • 股関節:
    • 歩行は、股関節の屈曲、伸展、外転、内転、内旋、外旋といった様々な動きを複合的に行います。これにより、股関節周囲の筋肉や筋膜がストレッチされ、癒着が剥がれやすくなります。
    • 特に、大股で歩くことや、かかとからつま先までしっかりと地面を蹴り出す動作は、股関節の深層部にある梨状筋や大臀筋などの筋肉を刺激し、癒着を改善する効果が期待できます。
  • 胸郭:
    • 体をしっかりと捻りながら歩くことで、肩甲骨や胸郭の動きが促され、胸郭出口症候群などの予防や改善に繋がります。実際はダイナミックに動かすのではなく、かすかに微細に動かすのがロルフィングの理想的な歩行動作です。
    • 深呼吸を意識しながら歩くことで、胸郭の可動性が向上し、肋骨周りの筋肉の緊張が緩和されます。

ロルフィングが歩き方を重視するのは、歩き方が上記画像のようなエクササイズ効果を持ち、筋筋膜性疼痛症候群の改善と予防に繋がるからです。歩き方を通じて、身体全体のバランスを整え、筋膜の癒着を予防することで、より健康な生活を送ることができるのです。

ロルフィングでは、歩き方の改善を通じて、以下の効果が期待できます。

  • 痛みの軽減: 特に腰痛や膝痛などの改善
  • 姿勢改善: 猫背や反り腰などの改善
  • 柔軟性の向上: 全身の可動域の拡大
  • 体幹の安定: バランス感覚の向上
  • 呼吸の改善: 深呼吸ができるようになる

5,ロルフィングが筋膜リリースを重要視する理由

「姿勢、呼吸、インナーマッスル/コア、歩行」の4つの機能を改善させる為に、ロルフィングは動作の元となる固有受容器の質を高める為、筋膜の癒着(滑走不全)を開放する筋膜リリースを行います。

「痛みの科学」のページでもご紹介している通り、「水分量、コラーゲン量、固有受容器、そして代償」といった要素が、「筋肉の緊張、筋膜の癒着、ひいては慢性的な痛み(筋筋膜性疼痛症候群)の発症」に深く関与しています。

つまり、痛みの元は「筋肉の緊張と筋膜の癒着」であり、それらを開放し、「姿勢、呼吸、インナーマッスル/コア、歩行」の4つの機能を改善させ、解放された状態での最適な動作パターンを記憶化させる(脳機能を改変させる)過程が重要なのです。

筋肉の硬さ(筋緊張)は、大脳の頭頂連合野からの情報を元に大脳の運動野、大脳基底核、小脳、が調整をおこなっています。筋膜の癒着などの構造的変化を開放し、脳機能を改変することが、痛み/凝りから解放される道なのです。

そして、「体は動くことで安定する(脳機能が適正化される)」という動的安定性というシステムを持っています。

「筋膜リリース」や「姿勢、呼吸、インナーマッスル/コア、歩行」も、全て動的安定性に結びつきます。

つまり、ロルフィングは、「姿勢、呼吸、インナーマッスル/コア、歩行、動的安定性」の5つで構成されており、一番の介入口が「動的安定性のを生み出す、固有受容器を豊富に含む」「筋膜」なのです。

その為、筋膜リリースが重要となります。
筋膜リリースを適切に行う事で癒着が解放され、関節が動くようになり、「姿勢、呼吸、インナーマッスル/コア、歩行」の機能が改善されます。

改善された4つの機能を日常的にうまく使う事で、筋膜の癒着が生じず楽なり、痛みの出ずらい体が手に入ります。

まとめ

ロルフィングは、身体の深層部にある『身体のセンサー』を刺激し、姿勢、呼吸、インナーマッスル/コア、歩行、といった私たちの日常動作を根本から改善するボディワークです。

例えば、長年の肩こりに悩んでいた方が、ロルフィングを受けることで、肩甲骨がスムーズに動くようになり、呼吸が深くなり、姿勢が改善したという事はよくあります。これは、ロルフィングが、硬くなった筋肉や癒着した筋膜をリリースし、身体のバランスを整えることで、失われた動きや感覚が改善し、身体全体の機能を回復させるためです。

ロルフィングでは、まず、身体全体のバランスを評価し、どの部位に問題があるのかを特定します。その後、深層部の筋肉や筋膜を丁寧にリリースすることで、身体の歪みを整え、柔軟性を高めます。施術後は、身体が軽くなり、動きがスムーズになったことを実感できる方が多くいらっしゃいます。

ロルフィングは、単なるマッサージではなく、身体全体の構造と脳機能を改善し、より健康的な生活を送るためのサポートをしてくれます。もし、慢性的な痛みや不調でお悩みの方は、一度ロルフィングを試してみてはいかがでしょうか(^^♪

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