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ヨガ哲学-八支則の第6・7・8ステップ

ヨーガスートラの第6・7・8ステップは、サンヤマ(三昧) と総称される、意識を深めていく3つの段階です。

  • 第6ステップ:ダーラナ(凝念) – 意識を一点に集中させること
  • 第7ステップ:ディヤーナ(瞑想) – 集中を深め、対象に意識を向け続けること
  • 第8ステップ:サマーディ(三昧) – 瞑想が究極に深まり、自我意識が消滅した状態

これらのステップは、第5ステップのプラティヤハーラ(制感)で感覚を制御した後に、意識を内側に向けて深めていくプロセスです。ダーラナで集中力を高め、ディヤーナで瞑想を深め、最終的にサマーディへと至ることで、心の奥底へと潜り、真の自己と出会うことができるとされています。

ヨーガスートラの八支則における、ダーラナ、ディヤーナ、サマーディを、脳科学的な視点も交えながら、スピリチュアルな表現を避けて解説します。

これらの3つの段階は、意識を深め、高度な精神状態へと至るための段階的なプロセスであり、現代の神経科学においても、そのメカニズムが解明されつつあります。

6. ダーラナ(凝念) – 集中

  • 意識の焦点化: ダーラナは、意識を特定の対象に集中させることです。呼吸、外部の音、身体感覚など、様々な対象に意識を向け、他の情報から注意をそらすことで、脳の活動が変化します。
  • 脳活動の変化: 脳波測定では、アルファ波が増加し、ベータ波が減少することが示されています。これは、リラックス状態と集中状態が深まっていることを示唆しています。
  • 前頭前皮質の活性化: ダーラナの状態では、前頭前皮質と呼ばれる脳の領域が活性化します。この領域は、注意、計画、意思決定などの高次認知機能を担っています。

7. ディヤーナ(瞑想) – 維持された集中

  • 持続的な集中: ディヤーナは、ダーラナで培った集中力を維持し、対象への意識をさらに深めた状態です。脳は、特定の対象に意識を向け続けることで、より効率的に情報処理を行うことができます。
  • デフォルトモードネットワークの抑制: ディヤーナの状態では、デフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれる脳の領域の活動が抑制されます。DMNは、 mind-wandering(心の迷走)や自己中心的思考に関与しており、この抑制により、雑念が減り、自己意識が薄れていきます。
  • 脳波の変化: ディヤーナの状態では、アルファ波に加えて、シータ波も増加することが報告されています。シータ波は、深いリラックス状態や創造性、直感力と関連付けられています。

8. サマーディ(三昧) – 超意識

  • 意識の超越: サマーディは、瞑想が究極に深まった状態であり、対象と自己の境界線が消失し、意識が超越した状態です。脳科学的には、自己意識や時間感覚を司る脳領域の活動が低下し、意識の統合が起こると考えられています。
  • 神経可塑性の変化: 長期的な瞑想 practice は、脳の構造や機能に変化をもたらすことが示唆されています。例えば、前頭前皮質や海馬などの領域の灰白質が増加することが報告されています。これらの変化は、注意、記憶、感情制御などの能力の向上に繋がると考えられています。
  • フロー状態との類似: サマーディの状態は、心理学でいう「フロー状態」と類似点があると指摘されています。フロー状態とは、完全にタスクに没頭し、自己意識が消失し、時間感覚が歪むような状態です。

まとめ

ダーラナ、ディヤーナ、サマーディは、意識を段階的に深め、高度な精神状態へと至るプロセスです。これらの状態は、脳科学的な観点からも研究が進められており、脳波の変化や特定の脳領域の活性化など、様々な知見が得られています。

ヨーガスートラで述べられているこれらの概念は、古代インドの叡智でありながら、現代の神経科学の知見とも一致する部分が多く、人間の意識の奥深さを示唆しています。

皆さんも、精神のコントロール力を高めて、心身軽に生活してみませんか?
その第一歩としてヨーガスートラの概念を日常意識にとりいれてみるのもたのしいかもしれませんね♬

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